自宅の庭に約50平米のドッグランを自作しました。
愛犬たちは毎日楽しそうに走り回っています。
嬉しそうに走り回る愛犬を見るたびに「ドッグラン作ってよかったなぁ」と思います。
今回は、これから自宅の庭にプライベートドッグランをDIYしたい方向けに、ドッグランの作り方や必要な道具・かかった費用などをご紹介します。
あくまで「我が家のドッグランの場合」ではありますが、参考になるものがありましたら幸いです。
自作ドッグランの仕様
一言に「ドッグラン」と言っても
地面は天然芝なのか人工芝なのかウッドチップなのか?
囲いは木柵なのかフェンスなのかネットなのか?
など、様々なタイプのドッグランがあると思います。
各家庭の環境や好みによって選択はそれぞれと思いますが、我が家のDIYドッグランの仕様は以下のとおりです。
- 土の上に設営(ベランダや屋上などのコンクリート上ではない)
- 地面は人工芝(天然芝やウッドチップではない)
- 囲いはネット(木柵やフェンスではない)
- その他資材は農業用資材(ドッグラン用資材ではない)
我が家は両親が農家なので、農業用資材が豊富にあります。
防草シートや防獣ネットなど、手元にあるものを流用する形でドッグランを作りました。
当初は木柵でオシャレなドッグランにしようかと考えていたんですけどね。
面積が広いので費用と工数がけっこうかさみそうなのと、あとで形を作り変える可能性もあったので、簡易で安価な方法を採用しました。
(そして実際に1年後に作り変えたので、柔軟なこの方法でよかったなと思います。)
天然芝か、人工芝か?
地面はグリーンが良かったので芝で考えていて、天然芝を植えるか人工芝を敷くかで迷いました。
天然芝は、価格も安くナチュラルなのが素敵ですが、芝刈りや雑草抜きなどのメンテナンスが大変。
一方人工芝は、メンテナンスは楽ですが、人工芝に比べて初期コストが高いのがネック。
けっきょくは、メンテナンスの手間を考えて人工芝を採用しました。
実はこの庭、昔は天然芝だったんですが祖父が管理しきれずに除草剤で枯らしてしまった過去がありまして。
なので管理しきれないだろうなぁと。
あと、うちのワンコは天然芝は掘り掘りしてしまう可能性もあるので。
ドッグラン作りに必要なもの
ドッグランをDIYするのに必要な資材と道具の一覧です。
ドッグラン用資材
人工芝
これがないと始まらない、人工芝です。
一般には、ロールタイプとタイルタイプがあります。
我が家はロールタイプを買いましたが、広さによっても向き不向きがあると思うのでご自宅に合ったものを購入してください。
芝丈は、ドッグランの場合は3cm程度が良いようです。
足腰の負担にならない長さを選んであげてください。
見た目のきれいさや耐久性・機能の違いなどで価格も様々ですが、我が家は敷設面積が広いので価格を優先して上記アイリスオーヤマの人工芝にしました。
(また作り変えるかもしれないし)
でも届いてみたら、見た目も悪くないし、ぜんぜん充分な商品でした。おすすめです。
人工芝おさえピン(U字ピン)
人工芝に打ち込んで固定するためのピンです。
上記の人工芝にも付属してますが、必要最低限しか付いてないので追加で購入しておきます。
意外とたくさん使うので、少し多めに買ったほうがよいです。
防草シート
雑草が生えてくるのを抑制するためのシートです。人工芝の下に敷きます。
防草性能が付いた人工芝もあるんですが、雑草は小さな排水穴からも生えてくることがあるので、防草シートも敷いたほうがいいと思います。
織布タイプ・不織布タイプなどいろいろあります。
高価格になるほど性能は良いのでしょうが、我が家では農業用に購入してあったリーズナブルなものを使いました。
防草シートおさえピン(黒丸付きU字ピン)
防草シートを固定するためのピンです。
頭に黒くて丸いものが付いているので、防草シートをしっかりと押さえることが出来ます。
防草シートは、風でめくれたりしないように細かくピン留めするのが吉なので、こちらも多めに用意しておくと安心です。
足が長いもののほうがしっかりと固定できます。
防獣ネット
ドッグランの囲いに使います。
50mあるので1ロールあれば充分だと思います。
単管パイプ(ネットの支柱用)
防獣ネットを固定するための支柱用パイプ。
「単管パイプ」と呼ばれるもののようです。
父が農業用に使っていたものを使わせてもらいました。
ホームセンターで4.5mのものを買ってきて、1.5mずつに切断したそうです。
一般家庭でこれを用意するのはむしろコスト高だと思うので、「防獣杭」という防獣ネット用の支柱があるみたいなのでそちらを買うのがよさそうです。
もしくは、防獣ネットとUピン・パッカーとセットになった商品もあったので、これが手軽でいいかもしれませんね。
パッカー
防獣ネットを支柱に固定するために使います。
パッカーはサイズ(太さ)があるので、上記の支柱用パイプの太さに合わせて購入してください。
代わりに結束バンドなどでもいいかもしれません。
DIY施工の道具
ドッグラン施工の際に使う道具は、電動工具などの特別なものは必要ありません。
最低限でいえば、100円ショップのゴムハンマーだけでもいいかもしれません。
下記を参考に必要なものを揃えてください。
- 金槌・ハンマー
人工芝や防草シートを固定するU字ピンを打つのに使います。 - 大鎚
ネットの支柱を打ち込むのに使います。
上記ハンマーでもいいですが、大きめのものがあると打ち込みやすくなります。 - ハサミ・カッター
人工芝や防草シートをカットしたり穴を空けたりするのに使います。 - メジャー
ピンや杭打ちの間隔を測るのに使います。 - バール
必須ではないですが、打ち込んだU字ピンを抜くときにあると便利です。
DIYドッグランの作り方と手順
ドッグランをDIYする手順は以下のとおりです。
- 区画イメージを書き出す
- 地面を整備する
- 防草シートを敷く
- 人工芝を敷く
- 支柱を立てる
- ネットを張る
- 出入り口を作る
ひとつずつ解説していきますね。
手順1:区画イメージを描き出す
ベランダや整った形の庭の全面をドッグラン化するのであれば必要ないかもしれませんが、そうでないなら簡単に区画のイメージを描き出してみるのがよいと思います。
手描きでOKです。

描き出してみると
・どういうふうに人工芝を敷くか
・支柱を打つ間隔と本数はどれくらいか
・ネットは何メートル必要になるか
など、イメージが具体的になってくると思います。
購入すべき資材の量も見えてきます。
こちらは人工芝を敷く前に区画を整理し直した図面。
歪な形をやめてきれいな長方形型にすることにし、縦横の長さも人工芝のロールのサイズ(1m x 10m)に合わせました。
まぁ、やっていくうちに図面通りにいかないことはたくさん出てきます。
現場で調整しつつ柔軟に対応していってください。
柔軟に対応していった結果、我が家のドッグランは↓のようになりました。
手順2:地面を整備する
ドッグランを設営する地面を整備します。
整備というのは具体的には
・雑草を根っこまで抜く
・石などを取り除く
・土を平らにし固める
などです。
まぁ、やらなくてもドッグラン作れるは作れますけどね。
仕上がりが変わってくるので、できればやっといたほうがいいかと思います。
我が家の庭には、もともと土中石などはなく、除草剤で草も枯れていたので、そのまま防草シートを敷いたのですが、あとになってやっぱり気になってしまったので防草シートを剥いで整地し直しました。
スコップや鋤簾(じょれん)で土をならして、木の棒などで固めます。
まぁ、しっかり整備しても、モグラに穴を掘られてけっきょくボコボコにされてしまったりするんですけどね・・・。
手順3:防草シートを敷く
整地を終えたら防草シートを敷いていきます。
最初に全体に仮置してから固定するようにすると失敗が少なくて良いです。
飛ばされやすいので風のない日の作業がおすすめ。
ドッグランの区画に合わせて平らになるように敷いてください。

防草シートが重なる部分は、広めに重ねる(できれば10cm以上)のがポイント。
隙間が開くとそこから雑草が生えてきやすくなります。
位置が決まったらU字ピンを地面に打ち込んで固定していきます。


風で飛ばされないように、隙間に土が入りにくいように、ピンを打つ間隔は短めがおすすめです。
50cm以下くらいの間隔かな?
ハサミで切った端の部分がほつれてきやすいので、熱処理をするか長めに折り返すようにするといいと思います。
壁際などは少し立ち上がるようにすると隙間がなくなって雑草が生えてきにくくなります。
・防草シート同士は重ね幅を広めにとる。
・ピン打ちの間隔は狭めに。
・端を折り返してほつれを防止する。
・壁際は少し立ち上がるようにする。
手順4:人工芝を敷く
防草シートを敷いたら、さらにその上から人工芝を敷きます。

人工芝も、先に全部を仮置きをして位置を決めたほうが失敗がありません。
人工芝には芝目があるので、方向を揃えてください。
また、よく見る方向に向かって芝の葉先が向くようにするとキレイに見えるそうです。
位置が決まったら人工芝を固定していきます。
人工芝の固定は、ピンで打ち付ける方法と両面テープで貼り付ける方法があるようです。
我が家はピン打ちを採用しましたが、コンクリートの上に敷設する場合には両面テープのほうがよいかもしれません。
人工芝同士は、U字ピンでつなぎ目をまたぐようにしてつなぎます。
このときのポイントは、少し隙間を空けること。
防草シートは重ね幅を大きめに取りましたが、人工芝は逆に少しだけ(2〜3mm程度)隙間を空けるのがポイントになります。
(継ぎ目は、手で芝をワシャワシャすれば見えなくなります。)
我が家は最初、数mmだけ重ねて敷いたのですが・・・
重ねた部分がモコモコと膨らんで不格好になってしまいました・・・。
見た目だけなら我慢してもよかったのですが、膨らんだ部分から人工芝の下に土が入り込みそうだったし、人や犬が躓くと危ないので、ピンを全部抜いて打ち直しました。
ジョイントテープのほうがより安全な仕上がりになると思います。
我が家では広さとコスト面でUピンで繋ぐ方法を採用しました。
U字ピンは50cm間隔で打ちましたが、しっかり敷きたい場合は30cmくらいでもいいかも。
1m間隔で打つと、隙間がめくれそうな感じがします。
(ジョイントテープの場合はめくれないと思います。)
・一度全体に仮置きをして位置を決める。
・芝目は手前に向けて揃える。
・人工芝同士は2~3mm隙間を空けて繋ぐ。
・U字ピンの打ち込みは30〜50cm間隔。
手順5:支柱を立てる
人工芝が敷けたら、そのまわりにネット用の支柱を立てます。
支柱打ちは、好きな場所に打てばいいので難しいことはありませんが、一番力を使う工程だと思います。
できれば2人以上で交代しながらやることをおすすめします。
今回使った支柱は長さが150cm。
ネットの幅は100cmなので、支柱を地面から110cmの高さまで打ち込み(つまり40cmの打ち込み)、100cmのところでネットを固定します。
場所によっては水道管や下水管などが埋まっている可能性があるので、配管を壊さないように注意して打ち込んでください。
支柱同士の間隔は、ドッグラン縦方向で2m間隔・横方向で1.5m間隔にしました。
ここらへんは敷設する区画の面積や形で決めてもらえればと思いますが、しっかり作るなら1m間隔でもいいと思います。
逆に2mを超えるとネットが弱くなりそうです。
まず四隅など基点になるところから打ち込み、水糸を張るようにしてみました。
DIYだし厳密に直線とらなくてもいいかなと思ったんですが、最終的にキレイな区画に仕上がったので、結果としてはやってよかったです。
・四隅から立てるのがおすすめ。
・水糸を張るとキレイに仕上がりやすい。
・配管周りは気をつける。
手順6:ネットを張る
支柱にネットを張る作業です。
支柱一本一本に固定しながら張るのではなく、基点となる支柱に仮固定しながら張ると整いやすいです。
緑のネット自体より、横に3本走っている黒紐を張るのが弛まずキレイにするポイントです。
ネットは、四隅などは外側を、その他は内側を回しました。

犬がネットに飛びかかることもあるので、そのときにネットが外れないよう基本的には内側に巡らせるほうがいいと思います。
上中下の3箇所をパッカーで固定。
パッカーで支柱に固定できたら、次はネットの下の部分です。
支柱だけでは幅が広すぎるので、ワンちゃんがネットをめくって脱走してしまう可能性があります。
ネットがめくれないようにここもU字ピンで固定していきます。
U字ピンを打つ間隔は
・支柱が2m間隔のところには3本(=約50cm間隔)
・支柱が1.5m間隔のところには1本(=75cm間隔)
としました。
うちの愛犬はこれで大丈夫ですが、身体の小さい子の場合はもう少し細く打ったほうがいいかもしれません。
・支柱の内外をうまく巡らせる。
・ネット下も固定する。
手順7:出入り口を作る
最後は出入り口を作って完成です。
出入り口は、ネットを折り返したりしながらなんとなく作成しました。
ドッグランのDIY費用はいくら?
我が家のドッグランは、家にあった農業用資材を存分に流用したものなので、費用はかなり抑えることができました。
購入したのは人工芝6ロールのみ。
当時の価格で4万円ちょっとでした。
あ、あとUピンも追加購入したか。
それを合わせても5万円以内で作れました。
一般のご家庭ではそういうわけにもいかないと思うので、仮に前述でご紹介した資材を購入して同じドッグランを設営する場合の費用を計算してみます。
ドッグラン資材 | 必要数 | 金額 |
---|---|---|
人工芝 | 1m x 10m 6ロール | 48,000円 |
人工芝おさえピン | 30本入り 2セット | 2,000円 |
防草シート | 1m x 100m 1ロール | 5,000円 |
防草シートおさえピン | 100本入り 2セット | 6,000円 |
防獣ネット | 1m x 50m 1ロール | 3,000円 |
支柱 | 20本入り 1セット | 9,000円 |
パッカー | 50個入り 1セット | 1,600円 |
合計 | 74,600円 |
※執筆時点での概算価格
合計で7.5万円くらいになりそうです。
こうやってみると、やっぱり人工芝が一番コストかかりますね。
天然芝で作るのであれば防草シートも不要ですし、ネット関係だけあればいいので、かなり費用は抑えられそうです。
(だけどメンテナンスが・・・)
ネットや支柱が一緒になったドッグランセットも販売されているようなので、一般のご家庭の場合はこういうセットのほうが手軽でよさそうです。
自宅ドッグランをDIYするメリットとデメリット
ここまでドッグランのDIYの方法を紹介してきましたが、DIYするのもメリット・デメリットが存在します。
メリット
- 費用が安く済む
人件費がかからないので業者よりも安く仕上げられます。 - やりたいように自由にできる
ドッグランの形も施工のペースも自由です。こだわりを表現することも可能です。
やりたいようにできるのがDIYの醍醐味ですね。 - 作っていて楽しい・達成感がある
DIYを選ぶ人は、そもそも作ることに楽しみを感じる人ですよね。
制作中の充実感や完成したときに達成感は、DIYならではです。
デメリット
- 時間がかかる
プロではないので、やはり時間はかかります。
ドッグランを作った経験もないでしょうから、作り方を調べたり道具を揃えたりするのも時間がかかります。 - 疲れる
基本的に自分で肉体労働するわけですから、やっぱり疲れます。
下調べなども時間がかかると頭も疲れてきますね。 - きれいな仕上がりになるかは自分次第
当然ですが、仕上がり具合は自分のウデにかかっています。
ここらへんはドッグランに限らず、DIYする上でのメリット・デメリットと同じですね。
ドッグランのDIYは、電動工具なども必要ないので比較的取り組みやすいDIYではないでしょうか?
業者に依頼するのもアリ?
DIYはやりがいがありますが、やはり時間と労力がかかります。
「予算をかけられる」「プロに任せてクオリティ高く仕上げてもらいたい」という方は、業者にお願いしてしまうのが手っ取り早いでしょう。
DIYするにしても、事前に一度見積を取って、DIYした場合の費用・手間・時間と比較するのがよいかもしれません。
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DIYするにしろ、業者に依頼するにしろ、納得した上でやるのがいいと思います。
まとめ
我が家でドッグランを自作した経験をもとに、DIYドッグランの作り方や必要なもの・かかった費用などをご紹介しました。
愛犬が走り回るのを見るたびに「作ってよかったなぁ」という思いにかられます。
「庭にドッグランをDIYしてみたい!」という方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
この記事がそんな方の参考になりましたら幸いです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました☺